2003年4月19日作成 2006年7月25日更新

タイミングベルトを自分で交換してみました

一ヶ月ほど前にロードスターの中古を買いました。走行距離は 88,000kmですが、13年前の車なのでタイミングベルトを交換してみることにしました(タイミングベルトはおよそ 100,000kmまたは、10年毎に交換が必要です)。

ちょっと古い車なので、整備書はもうディーラから取り寄せることができないそうです(ディーラで必要な部分のコピーはもらえるそうですが)。なので、Mazda Miata Mx-5 Eunos Roadster 1.6: Enthusiast's Shop Manualっていう市販の本を参考に作業しました。この本は今でも入手可能です。amazon でこないだ買いました。英語だけど)

まず、部品の購入

部品を買いに行く前に、まず一度ボンネットを開けて、いっしょに注文したほうがよさそうな部品を見つけておくといいです。今回はサーモスタットのガスケットから水が漏れた跡があったのと、ヘッドカバのガスケットからオイルが染みてたので、これらのガスケットも注文することにしました(実際に作業してみたら、これらの部品は再使用できない事がわかりました。注文しといてよかった)。あと、ついでなのでエアフィルタとオルタネータを回してるVベルトも交換しとくことにしました。

部品はディーラに行って買ってきました。カー用品屋さんでも純正部品を注文できるそうだけど、ディーラに直接行けばいいんでないかい? 行ったら飲み物とかもらえるし、混んでないし。

特に事前に連絡とかしなくても、いきなり行って部品の注文をすればいいんですが、車の年式等によって部品が異なったりするので、車検証を見せて、「この車のこれこれの部品くださいっ」て言えば間違いが無くてよいと思います。

今回購入した部品は以下の通り
ベルトセツト,タイミング(必須)5,500円
ガスケツト,ヘッドカバー(必須)2,490円
ガスケツト,サーモスタツトカバー(必須)290円
ベルト,'V'1,430円
エレメント,エアクリーナー3,300円

このほかにホームセンターで
ロングライフクーラント(LLC)6リットル分
(作業時にクーラントを抜く必要がある為)
1,494円
プラグ4本(ついでに交換)1,680円
シリコンシーラント478円

を購入。

百円ショップ(ダイソー)で
プラスチックの箱 容量10リットル
クーラントを抜く時の受け皿に(オイル交換にも良さそう)
100円
ガーデニング用じょうご100円

も購入。

純正部品 部品代は合計で、16,862円でした。

工具

今回使った工具はこれだけ。特別なものは無いね。

作業の前に

実際の作業の前に、前出の Mazda Miata Mx-5 Eunos Roadster 1.6: Enthusiast's Shop Manualで手順を確認しました。英語苦手なので、読むのに時間かかったですよ。

あらかじめ読んでおいたおかげで、作業中に資料を見ずにすみました。

実際の作業

それでは、実際の作業の様子です。

エンジンルーム作業前のエンジンルーム

エンジンルーム前方うちの車はエアコンもパワステも付いてないので、けっこうガランとしてます。

アンダーカバーまず、クーラントを抜きます。下のドレンボルトを +ドライバーで外してから、上のキャップを外すと、手にあまりクーラントがかからずにすみます。

アンダーカバーは外さずに作業できます。

スロープ?タイヤを何かに乗り上げておくと、出てきたクーラントを受ける容器を置くのに便利。

インテークパイプ取り外しインテークパイプを外す。簡単

部品を外してゆくたびに、部品の清掃をしておくと良いです。

電動ファン取り外しファンを外す。上のボルト2本を外して、下のボルト2本を緩めると外れる(10mm ボルト)。電気のコネクタも抜いてください。

アッパーホース取り外しラジエタのアッパーホースを外す。

外れにくいので、サーモスタットカバーに付けたままラジエタ側で外すと、外しやすいです。(ケチケチしないで、新品のホースを注文しといて、古いホースはナイフで切ってしまうと早い)

ロアホース(とラジエタ)は外さずに作業できますが、作業中ラジエタに傷が付きがちなので、できれば外したほうが良いと思う。

Vベルト取り外しオルタネータのボルト(12mm)を緩めてから、オルタネータを内側にずらしVベルトを緩め、ウォーターポンプのプーリを外して(10mmボルト3本)、Vベルトを取り外す。(エアコンやパワステが付いている場合は、先にそれらのポンプやコンプレッサやベルトを外す必要があります)

クランクシャフトのプーリ取り外しクランクシャフトのプーリを外す(10mm ボルト4本)。

プラグコード取り外しプラグコードとコイルユニットを外す。

プラグコードは引っ張れば取れます。組み立てるときに、元通りに配線しないといけないので、接続順をメモしておきましょう。(年式によって順番が違うそうです)

コイルユニットのボルトは 12mm

コイルユニット取り外しコイルユニットはヘッドカバーを外すのに邪魔なだけなので、こんなふうにずらしておけばよいです。

ヘッドカバー外したヘッドカバーを外す(10mm ボルト)。一番手前2本の短いボルトは外す必要ありません。

タイミングベルトが見えてきました。

なんだか整備してるなーって気がしてくる。

カム中はけっこうきれいだった。

ベルトカバーを外したあとは、ベルトカバーを外せば(カバーが3個、10mm ボルトが全部で8本)タイミングベルトが丸見えになる。

バルブタイミング確認ベルトを外す前に、バルブタイミングの確認をする。21mmのソケットでクランクシャフトを時計回りに回して、インテーク側(左)のカムプーリの「E」の刻印がエンジンの「E」の刻印に合わせる。すると、エキゾースト側(右)のカムプーリの「I」の刻印がエンジンの「I」の刻印に合い、さらにクランクシャフトのプーリの回り止めが真上にくるはずだ。(もしそうなってなかったら、そのエンジンはバルブタイミングが狂ってる?)

新しいベルトを取り付けるときに、これと同じ状態にすることで、正常なバルブタイミングとなる。

クランクシャフトを回すときには、ギヤをニュートラルにしてスパークプラグを外せば、軽く回る。

(写真撮るの忘れたので、汚い図で我慢)

ベルトマーキングカムプーリの刻印を合わせた状態で、タイミングベルトとプーリに印を付ける。

古いベルトから新しいベルトの同じ位置へこの印を書き写して、プーリの印とベルトの印が合うように新しいベルトを取り付ければ、おのずとバルブタイミングが合うという、手抜きのために行います。

テンショナを緩めるテンショナを止めている14mmボルトを緩めて、テンショナを左いっぱいに寄せて、再度ボルトを締める。これでタイミングベルトの張りが緩くなるので、タイミングベルトを外す。

ベルトを外したら、テンショナとアイドラローラの磨耗、ガタが無いか確認する。ついでにウォーターポンプからクーラントが漏れたような様子が無いかも見ておく。

もし異常があれば、部品を交換してください。(今回は問題なさそうだったので、交換しなかった)

異常が無ければ、テンショナとアイドラとプーリを乾いた綺麗なウェスで清掃する。(ベルト劣化の原因となるため、薬品は使わない)

新しいベルトの取り付け古いベルトから、新しいベルトの同じ位置へ印を書き写し、その印がプーリに付けた印と合うように、新しいベルトを取り付ける。

ベルトは、クランクシャフト−アイドラ−エキゾーストカム−インテークカム−テンショナ の順で取り付けてゆく。

新しいベルトに油など汚れが付かぬよう注意。また、ひび割れ防止のため、新しいベルトを 折り曲げることが無いよう注意。

バルブタイミング確認ベルトの取り付けが終わったら、バルブタイミングの確認を行う。

テンショナを調整して、適当にタイミングベルトのたるみを取ってから、クランクシャフトを2回転回して、プーリーの刻印を合わせたときに、各プーリーがそれぞれ正しい位置にあるかを確認する。(この時、自分で付けた印は気にしない。回しちゃうと印は合わない)

もし正しくなければ、ベルトの取り付けをやり直す。

タイミングベルトテンション調整バルブタイミングの確認ができたら、タイミングベルトのテンションを調整する。

ベルトを10kgの力で押したときに、ベルトのたわみが 9〜11.5mmになるようにテンショナを調整する。

調整したら、タイミングベルトのカバー3点を取り付ける。

シリコンシーラント塗布ヘッドカバーのガスケットが当たる部分を中心に清掃して、カムの軸受け部分にシリコンシーラント(液体ガスケット)を塗る。(塗った跡が残っているはずなので、そこに塗る)

ヘッドカバー取り付けヘッドカバーに新しいガスケットをはめ込んで、ヘッドカバーを取り付ける。コイルユニットとプラグコードも取り付ける(誤配線注意)。

Vベルト取り付け、テンション調整Vベルトを取り付けて、テンションを調整する。

10kgの力で押した時のたわみが、新品のベルトで 8〜9mm、使ってるベルトで 9〜10mmになるように、オルタネータのボルトで調整する。

あとはラジエタのホースとファンとインテークパイプを取り付ければ組み立て完了。

ラジエタの中を水道水ですすぐクーラントを入れる前に、ラジエタに水道水を入れてエンジンを掛ける。

おおっ! ちゃんとエンジン掛かったよ!!

このままアイドリングで10分くらい放置して、アッパーホースが暖かくなるまで水を循環させる。この時ヒータを作動させて、ヒータの熱交換器にも水を循環させる。

待っている間に、クーラントのリザーブタンクを取り外して(10mmボルト3本)中を水道水ですすいでおく。(入っていたクーラントが綺麗だったら、水を循環させたり、リザーブタンクを洗ったりしないで、いきなりクーラントを入れればよい)

十分水が循環したら、エンジンを止めてラジエタの水を抜き、ロングライフクーラントを入れる。

その後再度エンジンを掛け、水の時と同じようにアイドリングで放置したあと、クーラントの量を確認して、足りないようなら継ぎ足す。

リザーブタンクにも規定量クーラントを入れて、作業完了。

後日、クーラントやオイルのにじみ、Vベルトの張りを確認しよう。

交換済シール最後に、タイミングベルトを買った時に付いてきたシールに、交換時の年月と走行距離を書いて貼っておいた。

作業を終えて

タイミングベルトの交換って、大変なのかなーとおもってたけど、実際にやってみるとそうでもなかった。固くて外れないボルトは無かったし、けっこうすんなり作業できた。ただ、ラジエタのホースはなかなか外れなかった。もしまたやる機会(10年後?)があったら、ホースはナイフで切って外したいところ。

作業はけっこうすんなりできたけど、時間はかかった。5時間くらいかかっちゃたですよ。他人にやってもらうなら、工料 15,000円くらい払ってもいいかなってかんじ。

まぁ、手間はかかるけど作業自体は簡単だから、ヒマがあればやってみるとよいかもしれない。


webmaster@kyoutan.jpn.org

('A`)